この記事を執筆中の現在(令和2年3月4日)、世界は新型肺炎(コロナウイルス)でパニックになっています。
マスク、トイレットペーパー、消毒液、ティッシュ等を求めて薬局には朝早くから人々が行列をつくっています。
私も訪問美容のご予約を2週間お断りし、その間は無収入となっています。
この騒ぎはいつかは収束することでしょうが、これを機会に感染症についての基礎知識を学んでみましょう。
まずは訪問美容を行ううえで、すべての人に対して行う基本的な感染予防対策をご紹介します。
目次
感染症の種類と感染する要因
介護や医療の現場では、様々な感染源が存在します。
身近な感染症では
・ノロウイルス
・肝炎ウイルス
・ヘルペスウイルス
・インフルエンザ
・新型インフルエンザ
・新型肺炎(コロナウイルス)
があります。
感染症が発生するためには3つの要因が必要です。
1.感染源・・・細菌やウイルスなどを持っている人や物、細菌やウイルスに汚染された器具や食品など
2.感染経路・・・細菌やウイルスなどが体内(人や動物など)に侵入する経路のことで、接触感染、飛沫感染、空気感染、血液媒介感染などがある
3.感受性のある人・・・感染を受ける可能性のある人のこと。特に抵抗力の弱い人(高齢者や乳幼児、基礎疾患がある人)の事
この3つのうちどれか1つだけでも防ぐことができれば、感染症を発症することはありません。
感染経路について
大きく分けて3つの感染経路があります。
1.接触感染
最も頻度の高い感染経路です。感染している食品や物、体液などに直接触れることで感染するもの。
適切に手指衛生が行われなかった、患者、利用者ごとに使用物品が交換されなかったなどの原因があります。
・ノロウイルス
・O157
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2.空気感染
咳やくしゃみなどで空気中を浮遊しているウイルスを吸い込むことで感染するもの。
・結核
・水疱瘡
独立空調で個室管理が必要となり、結核の場合にはN95微粒子用マスクなどの着用が必要。入退室時以外は部屋の扉を閉めておかなければなりません。
3.飛沫感染
感染者がくしゃみや咳をした際にしぶきが飛んで、それを吸い込むことで感染するもの。
または感染者が鼻や口に触れた手でドアノブなどを触り、それが乾燥して飛沫し、それを吸い込むことで感染するもの
・インフルエンザ
感染症への標準予防策
標準予防策(スタンダード・プリコーション)は、医療機関や介護施設で取り組まれている、全ての人に行う基本的な感染症の予防策です。
・血液
・体液
・傷口
・粘液
・痰
・排泄物
・膿
に直接触れない、少しでもダメ。
すべての人・物が感染している可能性があるという前提で対応します。
具体的には、
・作業着・マスクを着用する
・顔そり時や傷口がある場合には使い捨てのビニール手袋を着用する
・お客様1人ごとにタオルやクロスを取り換える
・お客様1人ごとに器具を消毒する
・手洗い、手指消毒を徹底する(アルコール消毒はお客様1人ごとに行う。吐瀉物などがかかってしまった場合は必ず流水で洗い流す)
・うがいをする
その他、私が訪問美容事業所に勤めていた時に教わったのは
・お客様の体液がタオルに付いた場合にはケチらないでタオルを捨てる
・手や膝を床につけてはいけない(例えば床に落ちた物を取る、車椅子のフットレストを上げる際に手や膝をつく、お客様と同じ目線に合わせるために立て膝になるなど)
・シャンプー時にフェイスシートを使用する場合には使い捨てタイプを利用する
などがありました。
他にも私は指を切ったり手湿疹など皮膚トラブルが多かったのですが、そんな時には医療用指サックを着用していました。
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今は症状がないだけで、自分もお客様も全員病気かもしれない。それくらいの意識を持って徹底していきましょう。
まとめ
感染症の予防は
・血液
・体液
・排泄物
には絶対に直接触れないのが鉄則です。
触れる可能性が少しでもある時には
・マスク
・ビニール手袋
・作業着
を装着し、
・手洗い
・消毒
を常に意識していきましょう。