価格設定はどうする?価格を決めるコツとやってはいけないこと

これから訪問美容をスタートするのに最重要項目のひとつである価格設定のこと。

価格どうやって決めたらいいか、相場はいくらぐらいなのかは知っておきたいですよね。今回は価格の設定の仕方についてまとめてみました。

価格設定について

目次

近所の理美容院の相場を見てみよう

まずは市場の調査をしてみましょう。訪問美容を行う際にまずライバルになるのが「近所の理美容室

訪問美容のお客様は、何らかの事情で一人で理美容室に行けない方ですが、そのような状態になるまでは自分で通っていたサロンがあるはずです。また、現在でもご家族にサロンに連れて行ってもらっているという方も多数いらっしゃいます。
実際に私が営業していて一番多いのが「今まで通ってるところがあるから」と断られること。しかし、ご家族が送り迎え&施術時間も一緒に待っているのはけっこう大変だと思います。そんな方たちに訪問美容サービスを使ってもらいたい!

お客様の価格の基準は今までの理美容室の金額」です。もし、訪問美容の価格が近所のサロンに比べてかなり高額になるならば、お客様は多少大変でも今までのサロンに通い続けるでしょうし、大差がないようなら「訪問してもらえる」ことを魅力に感じて使ってくれるかもしれません。

とは言っても、現在の美容室は1000円カットのような低価格のサロンと高価格のサロンが増え、二極化が進んでいます。

ではいったいどんな美容室の価格を基準に考えれば良いのでしょうか?

そこは「平均的な価格」のサロンを基準に考えましょう。

なぜならば「1000円カット」のような激安店のように分刻みで施術し、お客様が次々に来てくれるようなビジネスモデルとは根本的に違います。
また「高価格なサロン」に合わせてしまうと「それなら今までの美容室で我慢しよう」となってしまいます。

首都圏や市街地、農村部などエリアによって美容室の平均価格が違いますので、近郊のサロンの価格をリサーチしてみましょう。

きりんちょ
きりんちょ
訪問美容は通常のサロンのようなコストがかからないので、それを考えるとかなり料金を下げても利益を出すことが出来ます。
しかし店舗のように「お客様を待っている」のとは違い「お客様のお宅にお伺いする」のは移動時間・準備・掃除の時間、不自由なお客様のペースに合わせる時間、道具類の運搬や慣れない環境等、体力的な負担と時間がかかるので、あまりにも低く価格設定をすると大変になってしまいます。

訪問理美容の相場

次は競合業者のリサーチです。

もともと訪問美容はボランティアや、1000円程度を頂いて行われていました。「ビジネス」というよりは「社会貢献」という意識のほうが強い分野であり、現在でもボランティアで訪問美容を行っている団体が多数存在しています。

これがビジネスとして施設等を中心にどんどん広がっていき、個人宅へも目が向けられてきました。

基本的に訪問美容の価格設定は、施設用個人宅用分けられている場合が多いです。

施設の場合はまとまった数のお客様を見込める為に一人当たりの相場は低めです。カット料金は1500円~2500の価格帯が多くなります。

ボランティア団体やライバル業者の参入で低価格化しているので、短時間で多くのお客様をこなす必要があります。

【施設の価格設定】

施設料金表

 

施設はカットだけのお客様が多く、施設の入浴スケジュールに合わせて予約をして頂く事が多いため、カラーのお流しやパーマ前だけシャンプーをして、カット前後のシャンプーはしない事が多いです。

個人宅の場合の相場は施設よりは高め、サロンと同じぐらいの価格設定をしているところが多いです。

カット料金は3500円~8000差がありますが、カット料金が安くても出張費が高めだったり他メニューを充実させたりと、それぞれ工夫されています。

【個人宅の価格設定】

個人宅料金表

 

普段はご自宅で過ごされていても、週に何度かグループホーム等へ出かけそこでカットしてもらっている方もいらっしゃいます。価格設定は「カット料金は高いけどカラー料金が安い」「カット料金が500円高い」こういった少しの違いが、後々売り上げに大きく影響してきます。

自分は()で()に(何を一番の売りにして)(どんなサービスをしたいのか)まずはこういった「テーマ」を決め、それに基づいて価格を考えていくことも重要になります。

目標利益を出してみよう

まずはカットのみでどれくらい利益を確保したいかを考えましょう。

カットのみで計算するのは、カット料金は必ず確保できる利益だと考えられるからです。(実際はカットせずにカラーのみ、シャンプーブローのみという方もいますが、ここでは考慮しません)

1か月でいくら稼ぎたいのか?

②何日働けるのか?

③その為には1日あたりいくらの利益が欲しいのか?

1日何人に施術できるのか?(何時間働けるのか)

これをもとにカット料金を算出し、近隣の理美容室の価格・訪問美容の価格と照らし合わせていきます。

個人宅の場合のカットの所要時間目安は1時間半とします【準備+カウンセリング+シャンプー+カット+仕上げ+掃除】
(最初は慣れないので2時間取っておいたほうが良いです)
移動時間は30分とする(近隣のみチラシ配布)

例えば私の場合は

①1ヶ月で30万円以上稼ぎたい

②土日は休みたい。22日働ける

③1日あたり15000円以上の利益が欲しい

④1日に施術できるのは4人  (9時~17時) 9時~10時半、11時~12時半、13時~14時半、15時~16時半

これを元に計算するとカット料金は3750となります。

近隣の美容室のカット料金は3000円~5000円。この範囲内で3750円以下にならないように価格を設定します。実際に決定したカット料金は4000円(税込み4320円)

実際はご予約が0の日もあれば1~2人の日もあったりすると思うのでそんなに単純にはいきませんが・・・予約の調整と他メニューで単価を上げることが重要になります。
「出張費」「パーマ・カラー・トリートメント」「ネイル」「マッサージ」等で全体の価格を調整していきます。

訪問理美容で年収1000万円稼げるの?

訪問美容で年収1000万円稼ぎたい場合には

(カットのみで試算・移動時間は30分、滞在時間は90分とする)

パターン①

パターン1

 

パターン②

パターン2

 

「カット料金8000円」はかなり強気の価格設定になりますが、高級住宅街などで活動する場合には、高級志向の方は「良いもの、価値のあるもの」にはお金を惜しまない傾向があるので介護福祉士などの資格」や「訪問美容師としての専門技術や接客レベル・豊富な知識」など、特別な技術を売りにして行う場合などは、そこに「価値」を見出して頂けるかもしれません。

今回はあくまでも「カット料金のみ」で試算していますが、「カット料金を5000円にして出張費+1000円」「パーマ・カラー率を80%以上で一日3人施術・1人あたり12.000円」など色々なパターンで考えられます。
いずれにしても、やり方次第では訪問美容で年収1000万円が可能であることが分かります。

税込みで計算していますが、基本的に消費税は開業してから2年間は納付の義務がありません。また、2年以降も前々年の課税売上高が1.000万円以下の場合はかかりません。売上で頂いた消費税はそのまま受け取ることが出来ますので計算に含めています。

価格を決める際にやってはいけないこと

価格を決める際にやってはいけないのは、

ブランクや経験不足などの不安を抱え、自信がないからと料金を下げてしまうこと。

いったん安い値段で始めてしまうと、あとから価格を上げたくなってもなかなか出来ないものです。同様に「訪問美容を始めたばかりでお客様を集めるために安くして呼び込む」という方法も良くありません

何の計算もなく、なんとなくライバル業者の価格帯の中間で設定すること

もっと安いライバル業者が出てきた場合、もっと値段を下げないといけなくなる可能性があります。

お客様がサービスに満足し、リピーターになってもらうための最大限の値段を設定するのがビジネスの基本です。そのためには「自分が何を一番大切にしているか」というこだわりや自信を価格にのせる必要があります。「自信が無くて価格をつけられない」という方は「10年後のプロフェッショナルの自分」をイメージしながら価格設定をすると良いでしょう。

また、もしもすでに訪問美容を始めていて、単価を上げたいとお悩み方にはこちらの記事が分かりやすくておすすめです。

単価を上げる際にやってはいけない意外すぎる5つのこと

まとめ

価格を決めるには、目標利益や競合業者のリサーチ等を出し、すべてのデータを総合的に見るということが必要になります。

なんとなくの平均価格や、自分の自信などで決めてもいけません。

たった500円の違いでも、後々の売り上げに大きな影響を及ぼす可能性がありますので、後悔のないように、10年後を想定しながら考えていきましょう。

10年後20年後もずっと続けて行けるの?と不安な方はこちらの記事も参考にして頂けると嬉しいです!

訪問美容で起業して10年後もやっていける?将来性について考えてみる

 

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